古典から
多くの人に知られている昔話、いわゆる古典といわれる絵本を紹介します。
三びきのこぶた 瀬田貞二 訳, 山田三郎 絵 福音館書店(こどものとも)
三びきのこぶたの絵本はたくさんありますが、この本をおすすめしたいです。
以前にも書きましたが、絵本にとって絵は字と同じかそれ以上に大切です。
文字の読めない小さな子を対象にしているのですから、小さな子にとってその絵がどうかというのが大事だと思います。
かわいさを強調した絵というのは、あまいケーキと同じで 子どもの成長という点からは相応しくないように思います。
この絵本は動きのある絵、余白との構成がとてもしっかりしていて絵本をめくる方向とお話が進んでいく方向が一緒なのが感じられます。
なによりそのストーリー。みなさんが知っている三びきのこぶたのストーリーはどんなものでしょう?
わらや木でできた家をオオカミに吹き飛ばされるというのは、有名ですが、上の二人のこぶたはオオカミに食べられてしまいます。
さらにその後、オオカミと三番目のこぶたの知恵比べがあって、最後にはオオカミはぐらぐら煮立ったお鍋の中に落ちて、ゆでられて子豚に食べられてしまいます。
結末をいろいろ変えてあるお話も多いのがこの三びきのこぶたのおはなし。有名なればこそなのでしょうが、もともとのイギリスの昔話、原作に忠実なのはこの絵本。
現代の感覚では残酷かなと思う場面も子どもたちはあまり気にしません。
悪者がきちんと罰を受けるというのは、実は子どもの心の成長にとっては大切なことで、中途半端な結論よりは安心感があるそうです。
是非一度、手に取ってみてください。