絵本の世界に魅せられて

読み聞かせで読んだ本、好きな絵本などを紹介します。

ふしぎだね

ふしぎだね、おもしろいね。そんなふうにページをめくっていく絵本です。

 

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おかしなゆき ふしぎなこおり

片平 孝  写真・文

 

どうしてこんな写真がとれるのでしょう。そんな不思議な形がいっぱいです。

 

絵本はストーリーのある絵本が読み聞かせにはよいと思いますが、それだけではありません。じっくりと物語を楽しんだあとに、少しリラックスができる絵本を入れてみます。

私の地域ではこんなに深い雪にはお目にかかれないので、こどもたちにぜひ届けたい風景です。

 

 

 

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フレデリック

レオ・レオニ  作・絵

 

とても有名な絵本なのでご存じの方も多いと思います。

心の深いところに残っていくような絵本なので、どちらかというと高学年向きです。

レオ・レオニさんの絵本は、教科書に出てくる「スイミー」が有名ですが、そのほかにも素敵な絵本がいくつもあって、大好きな作家さんのひとりです。

辛い場面になっても、想像する力があれば超えていける。そんな思いがこめられているように思います。

 

 

春が似合う絵本から

先週、小学校の低学年で読み聞かせの時に読んだ絵本を紹介します。

 

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とんことり

過去ブログからの中でも紹介している絵本です。

こちらの絵本には、たんぽぽ、すみれが出てくるので春にはちょうどよいおはなしです。

進級したりして知らない人と出会い、少し不安なときにゆっくりと不安が期待に、最後には笑顔になる絵本です。

子供たちに 「だいじょうぶ」を伝えたくて選んでみました。

 

読み聞かせに使う絵本を選ぶときに、一番大事にしているのは 季節感

その季節に自然の中で起こっていることや生活に根付いた歳時、学校生活に関係するようなことを選んでいます。

 

こどもが絵本を楽しむときに大事なのは 絵本からこどもに近づくこと。

その絵本が こどもの理解できる身近なことが題材になっているということです。

そうすれば、こどもはすっと絵本の中に入っていくように思います。

 

春は新一年生、桜などに目がいきますが、二年生や三年生もまたわくわくどきどきの中にいので、そんな気持ちに沿える絵本を選べたらと思います。

 

就学前か一年生くらいにはこんな絵本はどうでしょう。

 

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おふろでちゃぷちゃぷ

 松谷みよ子 文  いわさきちひろ 絵  童心社

 

古い絵本ですが、子どもにはそんなこと関係ありません。

この裸ん坊の肌の質感とこどもの開放感があっという間にこどもと絵本の距離を縮めてくれるでしょう。

なにより絵に動きがあって、走っている足音が聞こえてきそうです。

 

 

子どもの頃にいろんな技法の絵に接することは、想像力や心の豊かさを広げる大事な要素になるのではないかと思います。

誰にいつ読んでもらったかということは忘れてしまっても、一枚の絵が心に残ったり、大人になって再会したときに、あっという間にその頃のことを思い出すきっかけになったりするものだと思います。どこにでもありそうな絵や、甘ったるく、かわいさを強調した絵ばかりにならないように 少しだけ絵本の絵にも気を配りたいです。

 

 

 

 

読んであげたい絵本

小学生へ読み聞かせをはじめて10年目にはいります。

私が好きな本を選んで、読み聞かせをしてきましたが「どうして好きか」「どうして選んだか」を言葉にするのは難しいことでした。

最近、『絵本論』や『絵本の絵を読む』といった絵本を考える上で基本となる本を読んでいろいろ模索してみました。

『どうして』という言葉を使って、絵本を紹介していきたいと思います。

絵本の王様

かもさんおとおり

ロバート・マックロスキー 作・絵

渡辺 茂男 訳         福音館書店

 

この絵本は少し大きい絵本です。

その大きさを生かしたダイナミックな絵がすばらしい絵本です。

単色画ですが、描かれているかもに動きがあって、飛んでいる目線やひなの目線など見ているものを退屈させない構成の変化は、動画のようですらあります。

 

この力強い絵と少し古さを感じる言葉遣いがぴったりで、絵本の王様のようだと思っています。

 

季節の絵本

つくし

甲斐 信枝 作・絵     福音館書店   かがくのともシリーズ

 

実際の植物を観察して絵を描くことで知られている作家さんです。

つくしを食べることから始まって、つくしの一生が平易なことばで語られています。

道ばたの草むらを切り取ったかのような描き込まれた絵。そこに草むらがあるみたいです。自分が子どもの頃にみた道ばたのつくし。今の子供たちは知っているのかな?

すぐ側にある植物を慈しむ気持ちが絵本いっぱいに伝わってくるそんな一冊です。

 

 

はじめの一歩 過去ブログより

今まで別のブログで紹介してきた本をこちらにまとめて、改めて本と絵本を紹介するブログにしてみました。2017年1月から5月にかけて書いたものです。

絵本から小説までほんとにざっくり好きなものを紹介しています。

初回は過去ブログから。

次回以降はもう少し絵本よりで。

 

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『はるさんがきた』 越智のりこさんの絵本です。

この季節になると一度は手に取りたくなる本です。
たくさんの雪に関する絵本がありますが、降り積もった雪の気持ちに添って書かれているところとそこへやってくる春さん。
どきどきとわくわくと最後ににっこりという絵本です。

 

大人の絵本

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安野 光雅さんの絵本です。

こちらは知る人の間では有名な絵本です。

まったくの「絵」だけの本で、字はありません。
ただ一人の旅人が様々な国のなかを旅する絵が描かれています。

この本のおもしろいところはなんと言ってもそこここに散りばめられている歴史や物語の一場面を探すことです。

その国にまつわる物語が書かれているので、それを手がかりに開いてみて下さい。
赤ずきんちゃん」や「長靴をはいた猫」「ブレーメンの音楽隊」などは簡単に見つけられるでしょう。

大人でなければ読み解くことができない(見つけることができない)場面がたくさん隠されています。正解はありませんがいろんな人が「見つけた!」を発信しているので参考にしてみるのも一つです。

そしてこの本のもう一つの魅力は「見つけた!」を誰かに教えたくなることです。
相手がとても物知りだと「それはもう知ってる」となります。
私だけが見つけた!というのを探してのめり込み、誰かに教えたくなって、人を巻き込む。。。
なかなかパワフルな絵本です。

 

 

最近読んだ本から

図書館の魔女

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高田 大介作(講談社文庫)

言語学者の方書いたというだけあって言葉に対する細かな解説やほとんど使われないような難解な言葉がたくさん出てきます。
一読目はストーリーを追って、難解なところをとばして読みました。
二読目は言葉を丁寧に追っていきました。
でも、ついて行けなくなる箇所も。。。

ストーリーがおもしろいというより本を分析しながら読み進むのがおもしろい本という感じです。小さなかけらで散りばめられている伏線探しがおもしろいし、「そうきたか!!」という発見も楽しみです。

時間かかりますが、読み応えのある本でした。

 

 

今日の一冊

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クリス・ダレーシー著

この物語は今のところ5冊からなるシリーズものです。
楽しく読めるのは2冊目まででした。
3冊目、4冊目は「ちょっ、ちょっとまって!」と言いたくなるような展開です。
言葉は平易ですが、内容が飛んでいきます。
空高く・・・宇宙を超えて・・・その先へ・・・
そんな感じです。
5冊目まで読むと1冊目が懐かしく思えるほどのギャップを感じます。
難しい大学数学と物理学に翻弄されたような後読感が味わえます。
はじめはお子様向けのファンタジーなんですけどね。

 

それから、たくさんの龍が出てきます。
これがとても愛嬌があって、個性的で、虜になってしまいました。
そして。。。。
作ろうと試みました。紙粘土で。

物語の龍たちはちゃんと粘土で作られて、焼成されているんですけど。

でも、読んだら間違いなく粘土に手が伸びて、手元に小さな龍を一匹置いておきたくなるそんな本です。
体力のあるときにどうぞ。

 

 

昔話風ファンタジー

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天狗童子 佐藤さとる 著  村上 豊 画  

コロボックルシリーズで有名な佐藤さとるさんですが、こちらの天狗のお話もとっても深みがあります。
そもそものおはなしは1983年に書かれたものだそうですが、2009年に完全版としてソフトカバーで刊行されています。手元にあるのはこの2009年版。あかね書房発行です。
さらに2012年に加筆?改稿?された新刊が講談社から文庫で出ています。


細かく読み込まないとどう変わって言ってるのかはわかりませんが。
ほうきにのってびゅーんと飛んでいく西洋のファンタジーもいいですが、和風の天狗とかカッパが大好きなんですね。

作家自身が育ててきたおはなしって、いいですよ。
深みも味も吟味されて世に送り出されてきた感じで。
絵もとっても味わい深くて、誰でもきっとどこかで目にしたことがあるほどあちらこちらで挿絵を描かれてきた方のものです。
いろいろ口を挟んで、邪魔をしたくないので、ぜひ一度手に取ってみてはどうでしょうか。


この本、大人じゃなきゃ楽しめませんから。
頭をほぐしたくなったときにおすすめです。

 

ディック・ブルーナさんを偲んで

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うさこちゃんとうみ  ディック・ブルーナ 作 いしいももこ 訳

バケツとくまでの絵が脳裏にくっきり焼き付いています。
自分が行った潮干狩りのシーンとつながっているのかもしれません。
たくさんのうさこちゃんシリーズの中で、そんなにたくさんを知っているわけではないのですが、好きなのはこの一冊です。

ちなみに英語版のうさこちゃんも何冊かもっているのですが、英語で書かれていても頭に入ってくるときは、なぜかいしいももこさんの訳なんですね。
小さい頃の刷り込みってすごいです。

 

 

最近読んだ本

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ナミヤ雑貨店の奇蹟  東野 圭吾

図書館の棚の間を歩いていて、偶然目に止まったタイトルだけで借りました。
東野さんの本はほとんど読んだことがありません。
借りてから、10日ほどほってあったのですが、時間があって手に取りました。

時間があっちへいったり、こっちへいったりします。
追っかけて歩くのは大変で、読み返して納得したり。
記憶テストみたいで、登場人物や出来事をよく覚えていないとごちゃごちゃになります。

わたしにとってのいい本は「どきどきはらはらすぎないこと」
「終わりがほっこり閉じられていること」です。
尻切れトンボのようなまだ先がありそうな終わり方は、だめです。
消化不良を起こしてしまいます。
どきどきはらはらも読み進む原動力になるのですが、行き過ぎるとというかどぎつい表現があると残ってしまって、物語のストーリーよりそちらに引っ張られてしまうのでだめです。

ばったりであったにしては、なかなかよくて次はこの作者の違った本を手に取ってみるつもりです。

 

 

今日の一冊。

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林原 玉枝 文  はらだ たけひで 絵

小学校の国語の教科書にも載っている本です。
短編に分かれていて、あっというまに読めます。


ふんわりとしたメレンゲ菓子をひとつ、食べたい

そんな雰囲気のおはなしです。

 

おすすめの1冊

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きみがしらないひみつの三人

ヘルメ・ハイネ 著  徳間書店

人の一生を科学的に子どもにわかりやすく紹介する本です。
お勉強的な感じよりは、詩的な感じです。
包み隠さないところもさすが、ドイツならでは!

子どもよりもおとなにしっくりくるところも。
ぜひ、一度手に取ってみてほしい一冊です。

 

今日はこの一冊

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とんことり 筒井頼子作 林 明子絵

わりとポピュラーな絵本です。
林さんの絵が好きという方も多いでしょう。
「はじめてのおつかい」もこのお二人のコンビで描かれています。
このお話の一番好きなのは最後のページ。
言葉がなくて、それでも全部伝わる。
他の作品もそういう傾向が強くて、このお二人の絵本に表されているものがぐっと伝わってくるように思います。

多すぎない言葉。

あふれている言葉では届かない、そんな世界です。

 

 

こんな一冊は?

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とべ バッタ

作・絵: 田島 征三

大胆な筆遣いの絵が印象的です。

30年前に発行された本で、知っている方も多いかも。

バッタが天敵に追われながら 飛ぶ話です。

おとなしくしていたバッタが、このままじゃつまらない!
と飛び出していく話です。

けっこう大人の方が言葉の間に隠れた気持ちに気づけるかもしれません。

実は大型本で読んだんです。
子どもだけに楽しませるなんてもったいない!
大人もそのダイナミックな絵と迫力に 「わぁお!」となる絵本です。

そう、できれば大型本で見てほしい。